知覚過敏のメカニズム
歯の表面にあるエナメル質が剥がれる事で知覚過敏が起きやすくなりますが、そのメカニズムとしては次のような事が挙げられます。
歯髄と呼ばれる象牙細管の神経が直接刺激されてキーンとなったり、象牙細管の中にある液体が動いて歯髄を刺激したり、痛みを感じる細胞が露出してしまうために刺激を受けるといった事によって起こるのが知覚過敏と言えます。
知覚過敏になりやすい歯磨きの仕方
毎日の習慣である歯磨きは、汚れを落としたいという気持ちからついつい力を入れてゴシゴシと磨いてしまう人が多いようですが、実はこれが知覚過敏の原因になるんです。
毛先が固い歯ブラシでこすることで歯のエナメル質が削られてしまい、本来は内部にある象牙質が露出した状態になり、これが知覚過敏を引き起こす原因となります。 歯磨きは、なるべく毛先が柔らかい歯ブラシで、1本1本優しく丁寧に磨くようにしたほうが良いですね。
ひと口に「歯磨き」といっても意外に奥が深いようです…歯を健康に保つためにも正しい歯磨きの仕方を身につけましょう。
歯ぎしり
寝ている間にしている歯ぎしりも、エナメル質を傷つけてしまうので知覚過敏の原因となります。 とは言え。結婚していたりパートナーから指摘されたりしない限り、寝ている間に自分が歯ぎしりしているかどうかはわからないですよね。 実は日本人の約70パーセントは歯ぎしりを経験していると言われているので、知覚過敏の症状がある方は是非一度セルフチェックをしてみてください。
歯ぎしりの1番の原因はストレスだと言われています。日本人に歯ぎしりの症状が出る人が多いのはストレスをためやすい性質だからと言えます。 自分なりのリラックス法を見つけたり、リフレッシュする時間を作ったりするのも歯ぎしり対策になりますし、専用のマウスピースをして寝るのも取り入れたい対策です。
習慣的なホワイトニング
芸能人やモデルさんのように白く輝く歯にあこがれる人は多く、今は手軽の施術が受けられるようになったホワイトニングを定期的に行っている人も多いようです。 しかしこのホワイトニングが知覚過敏の原因になる場合もあります。 ホワイトニングは歯を研磨するわけではないので、エナメル質が剥がれる事もありません。
しかしホワイトニング治療で使う薬剤が、元々あった歯の削れやヒビに入って歯髄を刺激することで知覚過敏が起こります。 ホワイトニングの施術中に痛みを感じたら、すぐに中止してもらい歯医者に相談しましょう。ホワイトニングによる知覚過敏は長く続かないという特徴があるので、ホワイトニングを止めれば症状もなくなる場合がほとんどと言えます。
食生活
象牙細管の入り口には「スメア層」があり異物の侵入を防いでいますが、このスメア層はpHの低い果物・飲料・食品によってダメージを受けやすくなっています。 具体的にはオレンジやレモンなど柑橘系の果物やジュース、コーラやワイン、ヨーグルトなどがあり、オレンジジュースに3分間つけておくとヌメア層が完全に剥がれるという実験結果も報告されています。
たまに飲む程度なら問題ありませんが、もしこれらを口にして歯にしみる場合は数日間控えてみましょう。
薬の常用
薬の影響によって知覚過敏になることも考えられます。 一つは薬を常用することによって口の中が乾燥して唾液が出にくくなることが原因で知覚過敏になるケースですが、これは利尿作用のある薬や体液の減少を促進する薬、降圧剤、抗うつ剤、副交感神経遮断剤などが考えられます。
もう一つは薬に含まれる糖分が歯にダメージを与えるケースですが、これはチュアブル剤や口腔内崩壊錠などの水がなくても飲める薬や、トローチなどゆっくりと唾液で溶かす薬に含まれる甘味料が考えられます。
知覚過敏は生活習慣や歯磨きで改善!
あなたには思い当たる習慣がありましたか? 歯質は人によって違いますが、知覚過敏になりやすい人は比較的簡単になってしまいます。ひどくなると何も食べなくても舌が当たるだけで痛いという人もいるので、そうなる前に自分でできる予防はしておきたいですね。
まずはストレスを取り除き生活習慣を整えることです。また薬局や歯科医で、知覚過敏を予防する歯磨きなどが売っているので、お悩みの方は試してみるのも良いでしょう。