時代の気分に対する進取性が高い
コミュニケーションやエンターテイメント、新製品の開発に影響するのが、時代時代の気分です。その気分は時代を生きる人に内在している最大公約数が発露されるもので、パターン化されつつも新しい視点があります。クリエイティブな人には、その時代の気分をヴィヴィッドに捉える進取の感性が高いのが見て取れます。
そこには、一歩進めて言えば時代の気分を満喫しつつ、時代の気分をリードしようとする態度が見えます。つまり、時代の気分を自らが作り出そうとする進取性のパフォーマンスを、命題としていることが窺えるのです。
このように、クリエイティブな人は時代の気分を時代の感性に変えて、新たなパフォーマンスを生み出しています。
想像力×創造力を活かす
クリエイティブな人は、まず発想を大事にします。その背景には想像力×創造力があります。その典型的な例がデジタルの分野です。数学の世界の0と1の、いわゆる二進法の世界を電子回路ではオンとオフのスウイッチングの世界に置き換えることで、従来のアナログの世界が一変することになりました。
これを作り上げたクリエイティブな人は、二進法の法則を数学的な場面だけでなく、他の技術面で使えるのではないかという想像力を働かせます。トランジスタの出現は想像力を働かせていた人にチャンスを与えました。彼らはそれを創造力に直結し、省電力による駆動動作高め、発生する熱量を抑え、そして、処理速度の速いコンピュータを開発しました。
つまり、クリエイティブな人は、想像力を働かせながら、そのことが創造力につながるように常に頭を働かせています。想像力×創造力が新しい付加価値力を生み出すことを知っているからです。
時間を惜しまない
新しいものを生み出すのには相当の時間を要するものがあります。悶々としてアイディアが出ない。いたずらに時間が過ぎて行く。そんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。焦ってディレンマに襲われ、それが余計に焦りを生み出します。
しかしながら、クリエイティブな人はそうはなりません。科学技術の場合は実験の繰り返しで、年単位の時間を必要とする場合があり、極端に言うと10年を超えることもあるのです。
クリエイティブな人はそういう時間にも耐えることができるのです。惜しまないで時間の提供を受け容れることができるのです。
時間は成果を見るまで規則正しいリズムで過ぎて行きます。そのリズムに乗ってクリエイティブな人は目標に向かって、一つひとつ作業を進めて行きます。やがて、時間を惜しまないことの見返りとして、そのリズムがクリエイティブな人の期待に応えることになります。
LEDの開発でノーベル賞を受けた名古屋大学の天野教授は、正月もないぐらいに実験に没頭していたそうです。クリエイティブな人はそれを苦も無くやり通しているのです。多くのクリエイティブな人はこの24時間の積み重ねの中での仕事を、年単位ですることによって確実な成果を見出しています。
志が高く、諦めない
クリエイティブな人は小さい頃から志を立てています。そして、その達成に向かって歩み始めているのですが、それに加えて、途中でもめげることなく、成し遂げようとする志が高いのが特徴です。当然のことながら、はじめから小さな目標を立てるようなことはしません。高い目標を掲げ、それの実現を目指すのです。
そして、それだけではすみません。何事につけても諦めないという特徴もあります。志を立てた限りは成就するまで、うまくいかないことや失敗することは日常茶飯事、そんなことでくじけていたのでは、大志を抱いた意味がないことになります。
クリエイティブな人はフレキシブリティに富んでいますので、臨機応変に対応する余裕があります。場合によっては数百回の失敗も堪えません。志の分だけ辛抱強く地道なチャレンジを続けます。クリエイティブな人はそう簡単には諦めるようなことはしません。
教養人
クリエイティブな人は一芸に秀でているだけではありません。先に記した数学の二進法とデジタル技術の融合を計ったように、多くの事柄について造詣が深く、自分の専門性に付加価値を与えるような、専門外のことについても関心が高いのが特徴です。
つまり、自分の専門性をベースに何を付け加えたら、もっと進化したものになるのかを常に考えているのです。ということは、ただ単に物事を知っているということだけでなく、あらゆる分野のことについて精通するほどの教養人なのです。
こういった視野の広さが、クリエイティブな人の特徴になっています。それが時代の気分を読み解く原動力になっていることは間違いありません。そして、視野の広さ、教養の深さが、時に応じて自由自在な発想力の転換を促し、クリエイティブな人にとっては、新たな視点が生まれることになります。
アイディアマン
クリエイティブな人は試行錯誤をし、そして、それをベースにして錯誤修正を加えますそれの連続が、目標に向かわせるのです。そして、クリエイティブな人はアイディアマンでもあるのです。仮説を立て、それに対するアイディアを出し続けます。アイディアの段階では優劣はありません。頭に浮かんだものを否定することもしません。
こんなアイディアは駄目だと思ったら、湯水のように湧き出るものの元を断つことになります。例え陳腐と思えるアイディアでも全てをさらけ出します。言ってみれば、クリエイティブティとアイディアは密接な関係があると言ってもいいでしょう。
そんなアイディアを一つひとつ潰して行くことと、精緻化を繰り返すことで、最終的な成果物に達することが出来るのです。
勘が鋭い
クリエイティブな人は進取性が高いのと同時にアイディアマンでもあるし、先を見通す勘についても鋭い特徴があります。つまり、自分が目指す目標への筋道の中で何が必要なのか、勘を働かせながら選択肢を整理する能力に長けています。
クリエイティブ活動に時間をかけながらも、最短距離で成果物のポイントをゲットするにはあるところ緻密性が必要ですが、それと並行して勘も重要な役割を果たします。
クリエイティブな人はそのあたりの呼吸感も心得ていて、作業を進めながらいくつかの選択肢の中からプライオリティをつけつつ、鋭い勘を働かせています。
その勘は進取性や先見性の延長線上にあり、理屈では説明できない動物的なセンスによるところが大きく、特に化学技術の実験などでは勘を働かせ、偶然性に支配されながらも、予期しない成果を挙げることがあります。それも長い年月の経験がなせる業で、感性が勘を呼び起こすような現象を生み出しているのかも知れません。
使命感を持っている
クリエイティブな人の関心領域の幅広さは想像を絶するぐらい広いものです。しかも自分に課した課題をクリアするために、最大限の努力を傾けます。いわゆる使命感です。これがあるからこそ、どのような障害があろうと自分を追い込み、何としても達成できるように日常の活動をおろそかにするようなことはしません。
なぜなら、自分が納得できないからです。万が一、一瞬の手抜きで事の成就が損なわれるとしたら、自分一人の問題では済まなくなります。クリエイティブな人はそうなることを極端に嫌います。
仕事は自分一人だけで成立するわけではありません。多くの仲間の参加があってこその成功です。
そのチャンスを自分の浅はかな行動・行為で失うとしたら、それはクリエイティブな人にとって最大の屈辱になります。そうはならないようにするために、自分に使命感を課すのです。
新しいものを生み出すのには、相当のエネルギーが必要となります。スピードと価値、そしてオリジナリティ。どの要素が一つ欠けてもクリエイティブな人にはなれません。
改めて、クリエイティブな人に共通する特徴を考えてみましょう。
時代の気分に対する進取性が高い
想像力×創造力を活かす
時間を惜しまない
志が高く、諦めない
教養人
アイディアマン
勘が鋭い
使命感を持っている
8つの特徴を挙げましたが、まだこれ以外にも、クリエイティブな人に共通する特徴はあると思います。ここで大事なことは、時代の気分を受け容れつつ、先人の功績を超えるクリエイティブティを発揮するには、あなた自身がクリエイティブな人になることです。