コトノバ

仕事がデキる人や仕事が早い人の特徴

仕事がデキる人や仕事が早い人の特徴
世間的に仕事がデキる人、もしくは仕事が早い人を形容する言葉として、いくつか挙げられていますが、どれもこれも言われてみれば当然のことばかりです。 いわく、デスク周りがきれいに整理されている。メールなどの返事をすぐにくれる。常にゴールを意識している。優先順位がはっきりしている。時間意識がある。作業の進捗状況を把握している。必ずしも完璧主義ではない。仕事を断れる。頼み上手である。仕事を俯瞰できるなど、なるほど言われてみればその通りですが、このような情緒的な視点だけが、仕事がデキる人や仕事が早い人の特徴を捉えているのでしょうか。 そこで、このような視点から離れたところで、もう少し突っ込んで考えてみることにいたします。

仕事がデキる人には、アウトプットを意識したイメージと構想力がある

製品開発でも、マーケティング、あるいは営業の分野においても、仕事がデキる人というのはその案件に対して、最終的なアウトプットのイメージを持っています。そして、どのような構想力でそのイメージに近づけて行けばいいのか、さらに、最終的な判断をし、決断をします。

それがなければ、例えば、マーケティングのプロダクトチームで喧々諤々議論されたものを最終的な企画書にまと求める際に、何を基準にして提案を精査し、方向性の調整を行なえばいいのか疑問を感じませんか。つまり、当該プランの最終イメージがない人には、判断できないし、ましてや決断を下すことはほとんど不可能です。

営業の場でも、新規開拓を担当した営業マンが、自分の会社製品を売り込む際に製品の良さだけではなく、その製品を扱うことが買い手側のメリットにどうつながるのか、までをイメージできなければ、本当の意味での営業マンとは言えないでしょう。

仕事がデキる人は、事前に必要な情報から、当該企画のアウトプットイメージを想定し、そのためにはどのような構想を持って臨めばいいのか、一連の流れの中で行っています。そして、最終的なアウトプットされたものが、自分のイメージと構想に合致しているかどうかで判断、そして決断をします。

つまり、仕事がデキる人は、最終的なイメージ・構想力という物差し・尺度を持っているからこそできるのであって、例え、情緒に優れていても、それがなければ、仕事がデキる人とは言えないでしょう。

仕事がデキる人は、収集情報の資源化に長けている

マスコミ報道やインターネット、学会誌や展示会、セミナー、マーケット、Face to Faceなど、情報ソースは多岐にわたっています。それだけに、情報の精査が大事になります。

仕事がデキる人は、そのような多くの情報素材の中から必要とされるものをピックアップ、それを資源化します。資源化された情報は、役に立つことの証明で、多くの場合戦略的に使われることになります。

つまり、情報収集を仕事とみなしている間は、まだまだ一人前ではなく、得られた情報を資源化してこそ有用になり、戦力になるわけです。

これは情報だけでなく、プルダクトチーム編成をする際の人材資源でも同じようなことが考えられます。仕事がデキる人には、このような背景があるから、いい仕事をしていることを認識する必要があります。

よく酒席の接待で仕事が取れるようなことをいう人がいますが、酒で接待したからといって、そんな簡単に仕事は取れません。たまたま、酒席で仕事絡みの話が出てきた際に、その話を翌日の朝、チームを集めて、実は、昨日得意先を接待したとき、仕事に関してヒントになるような話を仕入れてきた。ついては、この課題を解決するための提案をするから、その準備をしよう。

ということで、作業が始まります。仕事がデキる人は、このように情報を資源化する術を心得ていますし次の戦略思考と論理思考にも長けています。

仕事がデキる人は戦略思考と論理思考を持ち合わせいる

戦略思考は多分にイメージと構想にダブるかもしれませんが、ようは物ごとを達成するには目的と手段が必要です。そのことを戦略と呼びます。そして、論理思考は主張とその過程から導かれた結論に一貫性があるということです。

仕事がデキる人は、この一貫性を損なうことがないように武装しています。簡単に言えば、戦略の裏付けとなる論理を展開しているのです。

例えば、原因と結果。目的と手段。主張と論拠。これらを明確にすることで、戦略と論理の構造を明らかにしています。あなたの周囲の人を見てください。仕事がデキる人のセンスは、常に、そうあるのが分かるはずです。

仕事がデキる人と布石

選択と集中が言われて久しいですが、仕事がデキる人はその上に布石を考えています。これこそが一番重要かも知れません。なぜなら、先程の情報の資源化ではありませんが、物事を成し遂げるためには、どのような布陣を選ぶかです。当該業務の遂行のためのチーム編成から始まって、どのような段取りで作業を進めて行くのか。つまり布石がポイントになります

製品の市場への導入から浸透、定着までを見届けるためには、企画、製品開発、製造、資材、ファイナンス、流通、マーケティング、広告宣伝、営業など、仕事がデキる人は、きめ細かいところまで目が行き届いています。

仕事がデキる人は足跡を残す

農家のお百姓さんは誰でもそうなのでしょうが、たくさんの収穫を期待して農作業に励んでいます。そこで、お百姓さんは、田圃や畑にどれくらいの足跡を残したかによって、作物の出来具合に影響があるといいます。日照り、大雨、作物の病気、施肥、雑草取りなど、そのたびに足跡を田畑に残しつつ作業をします。その足跡の数が多いほど、愛情いっぱいの作物が収穫できるそうです。

翻って、仕事がデキる人の日常の行動を観察してみてください。営業マンだったら、メールだけでなく足しげく得意先に通い、そのたびに問題点を把握して、逸早く製品の改良のヒントを社内に持ち帰り、解決策を提案するでしょう。

開発者は、何百、何千という実験を繰り返し、製品開発にチャレンジ、時には徹夜することもあるでしょう。マーケッターは靴底を減らしながら、市場視察や生活者のニーズを知るために歩き回るでしょう。

このように、仕事がデキる人は分野が違ってもそれぞれの持ち場で、足跡をあちこちに残しているのです。

足跡を残さずして仕事がデキる人になれるかというと、それはありえないといっても過言ではありません。一過性の情緒に左右されない、確かな視点を持って仕事に励めば、あなたも周囲から仕事がデキる人と言われるようになるはずです。