コトノバ

すぐに実践できるメンタルを鍛える・強くする方法

すぐに実践できるメンタルを鍛える・強くする方法
何百人という人前に立って話をする時や、大事なプレゼンテーションを前にした時って、心臓がバクバク鼓動を打って、それこそ、口元から飛び出してくるのではと、思った方結構いるのではありませんか。でもそれって、すこぶる正常な反応で、そういう場面に出くわして緊張感を持たないとしたら、逆に言うと、それは異常と言ってもいいかも知れません。 特に、しっかり準備した内容を説明したり、意志を伝えたりすることができるのかと考えただけで、不安感に襲われるのは当然のことです。しかしながら、そんなことは、先輩諸氏をはじめ、何千人、何万人、何十万人もの人がやってきたことなのです。 そう考えると、少しは楽になりませんか。そうなのです。自分だけが特殊な立場にいるわけではなく、物事を進めたり、新しいものを開発・発表したりすることは、子供から大人まで、どの世界にもあることなのです。 たまたまというか、あるプロジェクトチームを代表して、プレゼンテーションをする場合だって、世の中での何十万件あるうちの一つで、他の分野でも日常的に行われていると悟ってみれば、自分にもできるのではと自信が湧いてきませんか。 そうは言っても、そう簡単にはいきませんね。そこで、メンタルを鍛えるための発想と心構え、それに方法を一緒に考えてみることにしましょう。

メンタルを鍛えるための、マイナスをプラスに変える発想法

トランポリンのダイナミックな動きは器械体操とは、また違った魅力があります。公式競技用のサイズは4,3M×2,1Mで、男子選手ともなるとジャンプの高さが7Mまで達するそうです。競技は布で作られたベッドのセンターでジャンプし、いろいろな技10種類を組み合わせて演技をします。

演技をする際にベッドでジャンプをするのですが、まずは軽く飛び上がり、ベッドに降りた瞬間、ベッドは下にたわみ、その反動で上に跳躍します。つまり、プラスの跳躍をするために、両足を深く鎮めることで、必ずマイナスの世界を作っています。演技者はそれがなければ、高く飛び上がることができないのです。

メンタル面のマイナスとプラス

ゼロからいきなりプラスはできないというこのような現象はスポーツの世界だけでなく、多くの場面で遭遇することがあります。現に、体力的な面でも、技術的な面、あるいは心理的な面でも、マイナスがあってこそ、プラスが生まれてくるのです。

翻って、メンタル面でみたらどういうことになるのでしょうか。それが、人前で話せないとか、プレゼンテーションの場面で緊張のあまり、うまく説明ができないとか、若い人だったら愛を告白できないとか、いろいろな場面が想定されます。

つまり、その状況が、あなたにとってはマイナスの局面なのです。この局面からゼロを通過し、プラスに飛び上がるには、このマイナスの局面を経験しなければならないのです。それを経験しないで、いきなりゼロからプラスに飛びでたとしたら、マイナスを経験していないだけに、準備の問題や気配りの部分が影響して、緊張感のない、つまらない話になったり、つまらないプレゼンテーションになったりしているかも知れません。

このように考えると、ことメンタルについては負荷=マイナスをかけるほうが、後々のプラスに移行する場合、プラスだけでなくそれにオンされる付加価値が生まれることが期待できます。

その負荷=マイナスを乗り越えることがメンタルを強くすることになります。

メンタルに潜む言葉の意味はプラス思考への期待

私たちがメンタルという言葉を口にする場合、メンタルが強い人に対しては、ある程度尊敬の念を持って、話題にしますが、そうでない人に対して口にする場合は、メンタル的に強くなって欲しいとの願望を持って、使う場合が多いのではないでしょうか。

そこで、この言葉の意味合いを前提に、プラス思考にするためにはどうしたらいいのかを考えてみましょう。

まずは、人前で話せない、プレゼンテーションがうまくできない、という現状と事実を把握することから始めます。そして次に、なぜそうなるのか、このまま放っておいて解決できるのか、ではどうするのか、できるようになるにはどうしたらいいのか、一度でもいいですから考えてみてください。これがマイナスからのスタートです。

トランポリンでいえば、ジャンプの準備、飛び上がる前のエネルギーを溜め込んでいる状態です。この状態にいることをしっかり認識します。マイナスからプラスのエネルギーに変えて、空中で演技をするわけですが、その演技が問題になります。つまり、先程のできるようになるにはどうしたらいいのかの部分です。

ここでメンタルに関わるプラス思考が出てきます。

例えば、「ミスをしない人間は、何もしない人間だ。― セオドア・ルーズベルト」。「人間は努力する限り、過ちをおかすものだ。― ゲーテ」。「恐怖を克服する決心さえすれば、たいていの恐怖は克服できる。恐怖は人の心の中にしか存在しない。― デールカーネギー」を何回か復唱してみてください。先人の名言の中に、ご自分が直面している問題解決のヒントがあると思いませんか。

つまり先人も、いろいろの修羅場を潜り抜けてきた経験から、このような言葉を口にしています。

ということは、私たち人間は、いかなる状況をも乗り越える能力を持っているし、また、それに耐え得るメンタルも持っていることを明らかにしています。

自分だけが悶々として思い悩んでいるのではなく、多くの誰もが自分と同じような立場にいることを知れば、少しは勇気が出てくるはずです。

ですが、勇気だけでは解決しません。安心するのはまだ早いです。乗り越えるためには、恐怖に対する準備が必要になります。つまり、メンタルを鍛えることです。

メンタルを鍛えるために、減感作法にチャレンジしてみませんか

減感作法は、特定の状況が引き金になって、習慣的に起こる恐怖反応を緩和し消し去るための方法で、意識の組換えをするのが目的です。

もっとも苦手にする例に人前でのスピーチです。多くの場合不安を感じながらも、何とか不安を取り込んで、経験の数を増やしていきますが、中にはどうしても不安が先に立ち、スピーチが出来ない人もいます。

例えば、仕事の関係上、どうしてもスピーチをせざるを得ない状況に追い込まれると、突然吐き気をもようし胃がキリキリと痛みだし、唇は渇き唾をのむことが出来なくなる。手は冷たく、冷や汗が出てくる。体中の筋肉が硬直し、緊張の極みに達する。

これを減感作法で克服するには、まずはリラックスした状態を作り出すことから始めます。それには、呼吸法を用います。腹式呼吸をしながら気分を落ち着かせます。仰向けの状態でもいいですし、座位の形でも結構です。気分が落ち着いたところで、スピーチをするまでの過程を思い浮かべます。これには順序立てて進めて行く必要があります。

メンタルを鍛えるための減感作法の具体例

仕事中にあるプロジェクトのスピーチを上司から頼まれた。当然引き受けます。次に、どのような内容にすればいいのかと計画を作ります。そして、原稿を書き上げる。一度奥さんを前に練習をしてみる。周囲の人たちから応援される。実際に見せてみると評判がよかった。前日、会場に出向き下見をした後、会場で練習をする。スピーチ当日、身だしなみをそろえて会場に入る。ステージで時間を待っている。登壇し、落ち着いた態度でスピーチをしている。聴衆を見回す余裕がある。誰もが熱心に聞いている。自分もそれに満足感を抱き、リラックスした状態を維持している。

こうしたことをイメージすることで、一つひとつのシーンを確実にクリアすることで、恐怖からのストレスをコントロールすることが出来れば、実際の現場で恐怖心に襲われても、切り抜けるイメージの醸成ができるようになります。このイメージを本番に持ち込んで、あとは実践するのみになります。

これは、たまたまスピーチでしたが、新製品企画や広告宣伝企画、あるいは営業戦略会議でのプレゼンテーションの場でも、同じようにプレゼンテーションまでのイメージをつくりあげ、それに基づいて、実際のプレゼンテーションの現場で実行に移せばいいのです。

メンタルを鍛えるために、毎朝減感作法によるイメージトレーニングを

この減感作法もいきなりうまくいくわけではないので、朝起きた際に、ほんの10分でも15分でも、自分なりの段階ストーリーをつくって、一つひとつイメージ想起します。そこで、自分なりに不安感や恐怖感をクリアできて行く習慣がつけば、スピーチもプレゼンテーションも恐れることはなくなります。そして、その自信がいい仕事を生み出します。