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怒ると叱るは違う?子どものしつけに効果的な叱り方のルール

怒ると叱るは違う?子どものしつけに効果的な叱り方のルール

「怒る」と「叱る」、言葉の意味は同じように思えますが、実は少し違います。

どのように違うのか、子どもに対して効果的に叱るのはどういった方法をとるのが良いのかをご説明します。

辞書では?

「怒る」と「叱る」同じような意味で使っている気がしますが、どうやら少し意味合いが違うようです。

大辞泉で調べたところ、

怒る:

1、不満・不快なことがあって、がまんできない気持ちを表す。腹を立てる。いかる。

2、よくない言動を強くとがめる。しかる。

叱る:

目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる。

とあります。

「怒る」は「叱る」と同じ意味の、「良くない言動をとがめる」という意味があります。これは、相手に対してよくないことをした時に、という意味合いですが、もうひとつの「不満・不快なことがあって・・・」というのは、自分自身についての感情となります。

「怒る」は感情にまかせたもの 「叱る」はしつけ

つまり「怒る」というのは叱っているようにみえて、自分の感情にまかせて相手を責めているというたぐいのものになります。

子どもは怒られると、恐怖から怒られた物事に対して取り組みはしますが、逆に怒られないとしない子どもになってしまいます。それが無気力の原因になることもあるようです。

また、怒られることによって不満がたまるとそれが他へのいじめになったり、うつ病を引き起こしてしまうこともあるそうです。

ここで質問です。

みなさんは、受刑者つまり犯罪をおかした人は、子どもの頃厳しくされたと感じている人、甘やかされたと感じている人、どちらが多いと思いますか?

答えは「厳しくされたと感じている人のほうが多い」です。

甘やかされたほうがわがままに育って、犯罪に走りやすいのでは?と思いがちなのですが、この場合の「厳しくされた」は、殴られたり、たたかれたり、水を浴びせられたり・・・と、暴力をふるわれたことを指しています。それもどちらかといえば、親の気に入らないことをした場合、親の主観にまかせてふるわれた暴力です。

一方「叱る」というのはしつけのひとつです。

よくないことをした場合、正しい方向へ導くためのものです。

ですので、叱ることに自己嫌悪を覚えることはありますが、子どもが危険な目にあわないよう、また、社会に出てひとりでやっていけるために叱るということは、場合によっては必要なことなのです。

ではどうやったら上手に叱れるの?

叱ると言うことは先ほども書いたように「しつけ」です。

以下のようなことをした場合に、しつけが必要となります。

社会のマナーを守らない場合

信号無視をする、電車の列に並ばない、など

生活のマナーを守らない場合

食事の仕方、決まった時間に寝ない、など

生き方に問題がある場合

うそをつく、自分より弱いものをいじめる、など

ここで問題なのが、親の主観を押しつけ、それに沿わないから叱るということ、それは良くありません。

あくまでも客観的に問題であることに関して、以下の事柄を踏まえて叱るようにしましょう。

人のせいにした叱り方をしない

何が良くないかを伝える

過去のことまで持ち出して叱らない

だらだらと叱らず短く毅然とした態度で叱る

子どもの人格まで否定しない

叱るというよりは、良くないことを伝える、注意すると思っていただけたら良いかと思います。

また、子どもにも言い分があるかもしれません。

叱る前に気持ちを落ち着かせて「何故?」と聞いてみることも必要です。場合によっては、親の配慮が足りなくて、叱られる行為をする場合もあります。

親に非がある場合、ムキになって「親だから悪くない」という姿勢は決してみせないでください。子どもはそういう態度をよく覚えて、親を信用しなくなります。自分に問題があった場合は、非を認め、子どもに謝る姿勢も大切です。

叱るということはエネルギーが必要ですし、自己嫌悪にも陥るものです。

そのようにならないためにも、決まった時間に寝ることができるよう昼にたくさん遊ばせる、危ないものは手の届かないところに置いておくなど、親が先回りして叱ることを防ぐことも必要です。

叱り方を間違えると、親と子の信頼関係は一気に失われてしまいます。

理解してもらえるように叱ることは、簡単なことではありません。しかし、子どもを良い方向に導くためには少なからず必要なものです。

叱る=しつけは、根気のいるものです。子どもと一緒に自分も成長しているのだ、と余裕をもって取り組みたいものですね。