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良い上司の条件

良い上司の条件
子供の頃、自分の親父が野球選手だったらとか、母親が絶世の美人だったらとか、もう少しお金持ちだったらとか、いろいろ思いうかべたことがありませんでしたか。 でも、残念ながら私たちは親を選ぶことができません。 多くの人が集まる組織の場合はどうでしょうか。そこには上下関係というヒエラルキーが存在します。当然上司がいるわけですが、これが親の場合と同様で、上司を選ぶことはできません。 人事は部下になる人の思惑の外で配属先が決まり、長い組織生活の上で苦楽を共にするであろう、上司と付き合うわけですが、極端な例を挙げれば、それで部下の運命が決まってしまう場合があります。 多くの部下を持てば持つほど、彼らの人生に多大な影響を及ぼすわけで、それだけに上司の責任は重く、覚悟がいることは言うまでもありません。 企業であれば、上は社長から下は係長、主任までが、上司となり部下を持つわけで、そのことは当たり前のように現在も続いていますし、これからも続いていくことは間違いありません。 上司と部下、組織がある限りお互いが乗り越えなければならない永遠のテーマでもあります。 さあ、ここで、部下を率いる責任ある上司ですが、中でも良い上司の条件として、どういうものが挙げられるのか、一緒に考えてみることにいたします。

よい上司の条件は部下に目標を与えます。

どんな組織であれ、生産性を上げ利益を上げなければなりません。企業であれば、会社全体の目標を管理部門、企画部門、製造部門、研究部門、営業部門、その他の部門など、それぞれの部門に全体目標からブレークダウンした目標を下ろします。

下ろされた目標はそれぞれの部単位、課単位に細分化されていきます。この際に上司が登場するわけです。上司は、下ろされた目標をそのまま自分たちの目標にすることはありません。当然10~20%近く高い目標設定をして、部員、課員に伝えます。会社からの目標をそのまま鵜呑みにした場合、何かの加減でビハインドする場合があるので、部下にはそれよりも高めの数字を設定、伝えます。

なぜなら、目標数字がクリアできるかどうかは、即、部、課の成績に繋がるし、それが出来なければ上司としてのポジションを全うすることはできないからです。そして、部下の成績にも多大な影響を与えることになります。

上司は時に部下を選ぶことはできますが、部下はそう簡単には上司を選べません。だからこそ、上司は部下の将来を考えて、企業内や業界内で活躍できるように、しっかりとした目標を与え、管理し、成績を作り上げて行くことが大事になります。

よい上司は、部下と共に行動をする思いやりや気遣いがあります。

よい上司は仕事が出来るだけでなく、社会常識があり視線に温かみが感じられます。そしてその温かみの先にあるのが、思いやりと気遣いです。

まずは組織の目標に向かってともに歩みだします。部下ひとり一人に対して、応分の役割と目標。さらにチーム組織としての役割と目標。それを達成することがミッションになります。

したがって、良い上司はそのミッションが達成できるようにすることが第一に仕事になります。そのためには、上司自身が率先して範を垂れることが何よりも重要になります。よい上司はそのことを苦も無くやりこなしています。

次に、思いやりと気遣いですが、よい上司は部下の個性や才能が最大限活かせるような、仕事の分担や役割に気遣いをします。それは、別の言い方をすれば、部下の成長を願う思いやりと言ってもいいでしょう。

よい上司は、責任は自分が取り、手柄は部下に。

組織は生産性を上げ、いかに成果を出せるかが問題になります。その中心になるのが上司で、当然のことながら、目標達成のために部下に役割を与え、指示を出します。

最終成果を見るまでには、それこそ多くの出来事があるでしょうが、それも上司を中心にして乗り越えて行くわけです。

やがて、組織の努力の成果は、目標未達成なのか、契約不成立なのか、それとも目標達成なのか、契約成立なのか、いずれにしても、すべては結果次第です。

問題はそれからです。というのも、現出した成果に対して、上司がどのような態度をとるかです。

上司の中には、目標未達成や契約不成立は、自分の与り知らないことだと責任を部下に押し付け、目標達成、契約成立は自分の手柄にする、厚かましい上司がいることもあります。

しかしながら、良い上司はそのような態度はとりません。目標未達成や契約不成立は組織を率いた自分の統率力がなせる責任だと潔く認め、一方で、目標達成、契約成立の場合は、自分のことはさておいて、役員に対して部下を自慢し、頑張りを褒め称え、手柄は部下にという態度をとります。

このように、良い上司というものは、組織の源泉は部下のモチベーションアップにあることを心得ています。マインドは常にYoung at heart。

責任の所在は自分にあることを明らかにして、部下に思い切り仕事をさせるセンスがあるのがよい上司です。

よい上司は、損得、好き嫌いに囚われません。

人間だれしもが損得、好き嫌いを考えるのは必然的なことです。そうだからと言って、一概に非難することはできません。しかしながら、組織上で部下を持った場合は別の視点を持たなければなりません。それは、感情支配の延長線上にある、損得、好き嫌いの概念を仕事の場に持ち込まないことです。

先述の上司と部下の前提に戻って考えて見てください。部下は上司を選べないのです。その選べない上司の、損得、好き嫌いの感情的判断で差配されるようなことがあったとしたら、それは部下にとって最悪のシナリオになり兼ねません。

ところがよい上司は、そのような態度を取るようなことはしません。公私の区別が出来ているので、少なくとも公の部分では、割り切って仕事をします。そうでないと、部下は仕事に対して最大の神経を遣わなければならないのに、上司の感情的な対応に神経を遣うようになり、いきおい、仕事の能率が下がり、場合によっては、ストレスによって体調を悪くするようなことが起こりかねません。

よい上司は、そのあたりのことを心得ていますので、決して、そのようなことはしません。それが教養力なのです。

よい上司は、相談しやすいし、上から目線ではありません。

上司の中には上から目線で、何事につけてもトップダウン方式で命令する人がいます。それが権威の象徴だとワンパターンで思っているから始末に困ります。

つまり、部下は自分のいうことを聞いていればいいと一方的に押し付ける一方で、部下の言うことは聞かない上司がいるということです

ところがよい上司は、仕事の割り付けなどをしますが、それはトップダウン方式とはニュアンスが違います。なぜなら、押しつけるような態度ではなく、部下からの相談事や提案を聞く耳を持っているからです。

よい上司は、常にオープンマインドで部下に当たり、コミュニケーションの風通しを良くすることに気を遣っています。そのことは部下にとっては、仕事のスキル力や対人関係力、問題可決能力の向上を意味しています。

それこそが上司の部下に対する期待するところで、それの遂行に際して、上司が目配りをし、ポイントポインとで、アドバイスしたり、相談に乗ったりすることで、より大きな成長と成果を生み出すことができます。

このように良い上司は、部下のより一層の成長を期待し、自分の経験からの発想とは違った、新しい視点での発想をも期待しています。

よい上司は、明るくて言行一致を旨としています。

部下というものは不思議なもので、見ていないようにみえますが、上司がすることしないことすべてを見ているものです。

上司の中には自分の感情の赴くまま、言うことと行うことが不一致のタイプがいますが、これは部下から最も信頼されないタイプの典型です。

感情的になると、まず自分勝手なわがままな行動に出ます。虫の居所が悪くなると怒りっぽくなります。そして、言行不一致の移り気が出てきます。

これは悪い上司の例ですが、それに比べて良い上司は、基本的に明るい性格で、言行一致に努めます。まずはコミュニケーションがしっかりとれるような配慮をします。次に作業の進行状況を見ながら気軽に話しかけます。そして、一度言ったことに対しては、責任を持ってそれを遂行し、いつも部下の傍にいて指揮をとります。

こうして見てきますと、良い上司というものは、部下に対してとにかくコミュニケーションを図ることと、彼らにはダブルスタンダードというものがなく、上司と部下の関係以前に、人間対人間の関係を重んじるスタンスがあるようです。

もう一度最初に戻りますが、部下は上司を選べないという前提を忘れなければ、あなたはよい上司になる可能性があるでしょう。