下手な上司の特徴
教え方が上手な上司がいれば下手な上司もいるわけで、その下手な上司の特徴を見ることにいたします。
1 話の内容に堂々巡りが多く、なかなか結論がでない。
2 上から目線で、命令口調。
3 伝えることが精一杯で、話が長い。
4 細部に拘り、全体像が見えない。
5 聞き上手ではないことと、話の内容がくるくる変わる。
6 早口で自分本位、説得力がない。
7 無意味な例え話で、話がズレル。
などが挙げられます。
いかがですか。もちろんあなたにはこのようなことがないでしょうが、それでは、上手に教えるときのコツ・テクニックをどのようにしたらいいのかを考えて行きましょう。
人に何かを上手に教えるときのコツ・テクニックは、学ぶこと、経験することの醍醐味を示すこと
仕事上で部下がまず学ばなければならないことにいくつかのスキルがあります。そのスキルを教えるのが上司です。上司はまず、与えたミッションを確実に実行させるために、業務の遂行と処理について教えます。
それを学んだ後は、実際に仕事にチャレンジします。そのことには結果が伴うのは当然のことです。最初はうまく行かないこともあるかも知れませんが、経験することで教えを受けた証明が出来るのです。
成功するにしても、失敗するにしても、結果がダイレクトに出る醍醐味は、真摯に向き合ったものにしか味わえません。一度味わった醍醐味は、感動なのか、悔しさなのか、いずれにしても上司はそれを経験させることで、次なるステップの新たな醍醐味を生むチャンスを与えます。
人に何かを上手に教えるときのコツ・テクニックは、PDCAを理解させること
人に何かを教えるときの大事なポイントは、相手が教えられる内容を理解できるだけの素養があるかどうかが問われます。組織内の活動においては、まずもって基本的な業務プロセスの管理方法を学ぶ必要があります。そこに登場するのがPDCAの手法です。
PDCAは、普通はPDCAサイクルと呼ばれ、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)
で示される業務管理の手法で、4段階の活動を通じて業務プロセスを改善していくものです。
Planは目標・行動計画の設定。Doは文字通り行動計画の実行。CheckはPlanとDoの目標と結果の比較をした上で、問題点や課題の抽出・分析を行います。Actはそれを踏まえて業務プロセスの計画、実施体制の改善を行います。
これを繰り返すことで、よりよい業務プロセスが出来上がっていくわけです。
PDCAを身に付けている人は、業務プロセスを理解しているので、それ以降の教える内容についての理解度も早いし、コツ・テクニックの受容度も高まります。
人に何かを上手に教えるときのコツ・テクニックは、自分本位ではなく相手を尊重すること
教えるときに一番問題になるのは独りよがりになっていることです。教え手は、自分流の教本が最高だと思っていいますが、それが相手にとっては必ずしも正しいこととは限りません。まずは相手の立場に立つことが大事です。つまり相手本位の教え方が大事で、しかも説明はポイントを絞って、簡単にする必要があります。
多くの場合、頭では理解しているのですが、相手の個性や持っている資質によっては、教える側の態度を変える必要があります。というのも、誰もが同じパターンに反応するとは限らないからです。それ故、相手の立場、考え方のスタンスを理解する必要があるのです。
人に何かを上手に教えるときのコツ・テクニックは、ゴールを明確にすること
人に物事を教える場合には、実際に日常業務の現場での場合と、研修の場を設けて教える場合もあります。
研修の場合は、当然対象者のスキルや資質、能力レベルに応じて研修プログラムが組まれるわけですが、その際の習得すべきプログラムは業務に関するものよりは、論理・思考力や問題解決力、数値管理、固有名詞の具体的使用の習得などが主で、この場合、プログラムの習得のゴールを設けます。
そして、研修の場で習得された内容が、具体的に日常業務の中で、周到状況を確認するために、すぐに応用・実践されるように仕向けることが大事になります。これは、日常業務をより一層高度化するのと、これまでの業務の再確認をすることで質的な精度を上げることに繋がります。
人に上手に教えるときのコツ・テクニックの一つに、研修の場でのゴールを明確にすることを付け加え、習得状況をチェックして次のステップに進みます。
人に何かを上手に教えるときのコツ・テクニックは、好奇心、向上心を引き出す
多くの社員に中には、個人の資質の違いだけでなく、物事や仕事に対する取り組み方が違います。中でも伸びる社員は、好奇心や向上心が高く、教えられたことの上をでるセンスと行動力があります。
それ故、人に上手に教えるコツ・テクニックを考える場合、対象者の好奇心や向上心を引き出すことが重要になります。
例えば外交的性格で、几帳面な性格の上にホウレンソウが出来る営業職に就いている人に対しては、営業力を上げる視座を彼の好奇心や向上心の延長線上で、具体的に教えて行くことが必要になります。
営業力!って、何でしょうか。平たく言えば、得意先―クライアントが抱えている問題を社内に持ち帰り、戦略的、戦術的な手法を駆使し、問題点解決のための提案をすることで、その案件をビジネス化する仕事とは考えられませんか。
その意味で言うと、より進化した営業力を求める人にとっては、クライアントの問題点の発見こそが一番の眼目で、それを達成するためには、より困難な問題にチャレンジする好奇心と向上心を必要とします。
人に何かを上手に教える時のコツ・テクニックは、範を垂れ、成果を共に喜ぶこと
範を垂れる前提には、常日頃から部下に受け容れられていることと、尊敬されていることが大切です。そうであるからこそ、範を垂れる意味合いがあるのです。
家族関係では子供は親父の背中を見て育つと言いますが、会社などの組織では、部下は上司のそれこそ背中を見て仕事を覚えるものです。チームを率いる際の構想力と気遣いの妙、そして感覚的な呼吸感など、物事を成就させるためにどのような態度を見せるのか、チェックしています。
それからこれが大事なのですが、自分が教えたことをベースにして物事が成就し、それなりの成果が上がったら、まずは褒め称えて成果を共に喜ぶことです。
そうすることで、成果を上げることの重要性もわかるでしょうし、何よりも、教えられる意味合いと重要性が分かるというものです。
人に何かを上手に教える時のコツ・テクニックをいろいろ挙げてきましたが、往々にして表面面を見て判断する場合がありますが、できるだけ相手が置かれている立場、行動様式を理解することが大事です。
というのも、相手の潜在能力を過小評価、見誤っている可能性があり得ます。それでは期待しうる戦力たりえません。
教える際に重要なポイントは、今ある相手の能力がどれだけ将来に役立つかを見極めるところにあります。その可能性を引き出す道標が何を上手に教えるかにかかっていると言っても過言ではないと考えます。
そして、君はそういう人材になると認めてあげることが、彼の成長を促すことに繋がってきます。