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ホルモンバランスを整える食事や食材

ホルモンバランスを整える食事や食材
普段は余程のことがない限りホルモンのこと、考えたことがないかも知れませんが、実は、私たちの身体はホルモンの働きと神経が深くかかわっているのです。 そのホルモンですが、生体内でどのような働きをしているのでしょうか。知りたいと思いませんか。まずはそれから明らかにしていきましょう。

ホルモンの役割

実際のところ、ホルモンは生体の働きにはなくてはならないものです。臓器や組織が行う代謝の速度や量を調節するところで大いに関係があります。私たちの身体は恒常性を保っています。この恒常性があるからこそ、私たちは安心して生きていけるのです。

これを維持している一つがホルモンなのです。

そのホルモンの役割ですが、具体的に3つ挙げることができます。

一つ目は、生体の発育、成長の調整、生殖器や副性器(副睾丸、精管、精嚢、前立腺、尿道腺、陰茎)、骨格などの発達に関するホルモンで、分泌する器官は下垂体、甲状腺、性腺、副腎皮質、胸腺、唾液腺などがあります。

二つ目は、生体の自律的な機能や本能的な行動を調整するホルモンで、性行動、母性行動、恐怖や驚愕などの情動に関係する、交感神経の緊張状態に関係します。分泌する器官は下垂体、性腺、副腎皮質、髄質などがあります。

3つ目は、生体の内部環境の維持、調整に関与するホルモンで、電解質や栄養などのバランスの保持、蓄積、処理などの働きをしています。分泌している器官は下垂体、副甲状腺、副腎皮質と髄質、腎臓、消化管などです。

それでは、そのホルモンのバランスを整える食事や食材にはどのようなものがあるのか、一緒に考えることにいたしましょう。

ホルモンバランスと男性ホルモン

ホルモンの役割はお分かりいただけたところで、実際のホルモン、それも男性ホルモンについて、見て行くことにいたします。

男性ホルモンと言えばテストステロンです。このホルモンは、精巣(睾丸)で作られ、男性ホルモンの90%以上を占めています。男性が男性らしくいられるのは、まさにテストステロンがあるからで、骨格の形成や筋肉の逞しさ、男の象徴の髭や体毛など男性にとってはなくてはならないものなのです。

それだけでなく、成人後の男性の生き方にも肉体的な影響を与えています。特に男性機能の性欲、血液の生成、動脈硬化やメタボリックシンドロームの抑制、脳機能、血管機能の促進など多くの分野に亘って、テストステロンの恩恵を受けています。

それに加えて、冒険心とかチャレンジする姿勢とかにもこのテストステロンが関与していると言われています。

ということで、逆にテストステロンが減少するとどうなるのでしょうか。男性機能の低下、脳(認知)機能の低下、血管機能の低下、メタボリックシンドロームの促進などが増えることに繋がります。

男性ホルモンは30歳を過ぎると個人差はありますが、減少が始まります。これは、当然加齢によるものですが、それ以外にもストレスが加わるとストレスホルモンが排出され、それが男性ホルモンを減少させるのです。

このように、男性ホルモンは年を重ねるごとに減って行くので、ホルモンのバランスをとることが大切になります。

ホルモンバランスを整える栄養素と食事、食材。

ホルモンバランスにも、生活習慣病に関係する栄養素が影響しているようです。具体的には、脂肪や炭水化物を初めとする糖質の過剰摂取を控える一方で、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどを摂りいれることがホルモンバランスを整える上で大切なことになります。

では、テストステロンの値を高めるような栄養素を、どんな食材から摂ればいいのかを順次見て行くことにいたしましょう。

ホルモンバランスを整える栄養素

栄養素としては、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどが、効果があるとされています。まずは亜鉛です。

亜鉛は人間に必要な必須ミネラルで、特にテストステロンの生成に大きく関与しています。

Dアスパラギン酸は生命を担う重要なアミノ酸の一種で、メラトニンの分泌を抑えたり、プロラクチンの分泌活性、テストステロンの合成を進めたりすることが知られています。

ビタミンDはテストステロンの相関関係が高く、ビタミンDの多い人は、テストステロンの値が高いことが確認されています。

ジインドリルメタンはテストステロンの筋肉生成を強める可能性が指摘されており、体内のテストステロンを高めることが確認されています。

ホルモンバランスを整える食材

テストステロンを高めるのに関与する食材としては、タンパク質とタマネギ、ニンニク、山芋、すっぽん、ウナギなどが挙げられますが、大切なのはやはりタンパク質です。筋肉の増強や骨格作りにどうしてもタンパク質は欠かせません。

具体的には、牡蠣(亜鉛)、牛肉(タンパク質と亜鉛)、豚肉・鶏肉(タンパク質)、大豆、卵などと、

それから、タマネギを初めとするネギ、ニンニクがお勧めです。タマネギとテストステロンの関係を見てみると、含流アミノ酸といって硫黄を含むものがあり、これがテストステロンの合成を導き出すとされており、実際に研究報告も出ています。

ニンニクもタンパク質とともに食することによって、テストストロンが増えることが確認されています。さらに、アボカド、ウコン、ニンジンも効果があるとされています。

一価不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸が多い食材もテストステロンの値を上げることが分かっています。

一価不飽和脂肪酸としては、オリーブオイル、アーモンド、ピーナッツバターなどがあり、飽和脂肪酸としては、ココナッツオイル、チーズ、卵の黄身などがあります。

ホルモンバランスを整える食事

ホルモンバランスを整える栄養素と食材を見てきましたが、当然、それらを使った食事がホルモンバランスを整えるわけで、まずはネギ類に動物性のタンパク質、植物性のタンパク質をあわせた食事を挙げてみます。

― 赤みの牛肉にタマネギといえばすき焼きです。牛肉には亜鉛とタンパク質が含まれ、タマネギには含流アミノ酸がありますので、あわせて摂ることによってテストステロンを増やすことで、ホルモンバランスを整えることができます。

― ニンニクと豚肉とのセットでは、生姜焼きがお勧めです。ニンニクをおろし、スライスしたタマネギをあわせれば、ホルモンバランスを整える、メニューの一つになります。

― 伝統的な和食である味噌汁。大豆をベースにした豆腐、そしてネギかタマネギ。割と簡単にできるものが、なんとテストステロンを増強し、ホルモンバランスを整えてくれます。

― これまで挙げてきた食材の中で、亜鉛の含有量が最も多いのは牡蠣です。ニンニクをカリカリにして、それに牡蠣を焼き上げたガーリックソテー。牡蠣のグラタン、生牡蠣のレモン添え、牡蠣ごはん、牡蠣フライと、これまで身近に作ってきた料理で、亜鉛を十分とることができます。

いかがでしたでしょうか。適度なテストステロンがあるかないかで、人生の後半の生活が大きく変わってきます。食事に気をつけることでホルモンバランスを整えることができますが、食事以外でも、運動や睡眠も影響しますので、食生活を含めた生活全般を見直すことも、ホルモンバランスを整えることに関係があります。

少し調子がどうも悪いと感じたら、ホルモンバランスが崩れているかもしれません。チェックをすることをお勧めいたします。