寝ているときもカロリーを消費する
睡眠というものは体を休めるための行為なのでカロリーを消費しないと思われがちですが、実際にはカロリーを消費しています。そしてその消費量は300~400キロカロリーにもなるので驚きですよね。
しかしこの消費カロリーには条件があって、「睡眠時間が8時間」で計算した場合です。つまり睡眠時間が減れば減るほど消費カロリーも減っていきます。そして睡眠時間が減ることにはもう1つ大きな問題があるのです。
グレリンとレプチン
そもそも食欲を感じたり満腹感を感じるときには、とあるホルモンが分泌されています。それが「グレリン」と「レプチン」です。
グレリンは食欲を増進させるホルモンであり、つまりダイエットの敵であるホルモンですね。このグレリンが多く分泌されると空腹感を感じ、さらに高脂肪・高カロリーの食事が食べたくなるという迷惑な特徴もあります。
逆にレプチンと呼ばれるホルモンは食欲を抑制されるホルモンです。レプチンが分泌されると満腹感を感じ、食欲も抑制されます。そしてグレリンとレプチンの分泌量が睡眠に関係しているのです。
睡眠時間が減るとグレリンが増える
日常的に4~5時間しか寝ない方は、深夜に空腹を感じた経験があると思います。これは短時間睡眠だと食欲を増進させるグレリンの分泌量が増えるためです。
そしてグレリンが増えると高脂肪・高タンパクの食事が食べたくなるため、甘いモノや炭水化物などがほしくなります。これが深夜に限ってラーメンやお菓子などを食べたくなる理由です。
さらに本来であれば食欲を抑制してくれるレプチンも、短時間睡眠だと分泌量が減ってしまいます。そして深夜に摂取したエネルギーが過剰となり、肥満に繋がるわけです。
肥満率が50%も上昇?
海外で行われた実験によると睡眠時間が5時間の人は、7~9時間の人よりも肥満率が50%高いというデータもあります。また、さらに短い4時間以下ではなんと73%も高い肥満率とのことです。つまり睡眠時間が短くなれば短くなるほど太っていることになります。
健康維持に推奨される睡眠時間が7~8時間と言われているので、ボーダーラインは7時間ということですね。ただ、レム睡眠とノンレム睡眠の周期を考えると7時間半がベストでしょう。
また、睡眠時間は筋肉量にも影響すると言われており、睡眠時間が減ると筋肉も減る可能性があります。筋肉量が減れば基礎代謝が低下するため、ダイエット効果を下げてしまうでしょう。つまりダイエット中は睡眠時間を7時間半以上に設定することが重要です。
難しいときは分散させる
睡眠時間は仕事や学校の関係もあるので、増やせない場合もあるでしょう。そういったときには時間が空いたときに昼寝をしたり、仮眠をとることでグレリンの分泌を抑制できます。
また、睡眠導入がスムーズにいかず結果として短くなってしまうのであれば、就寝前のテレビやスマホを控えたり、食事を3時間前にすませるなど寝付きがよくなる工夫をしてみましょう。
睡眠時間を増やすだけで劇的にダイエットできるとは限りませんが、実際に2週間で3キロ減ったというデータもあります。もし現在睡眠時間が足りていないのであれば、ダイエットと同時に睡眠時間を増やしてみるといいでしょう。
せっかく寝るだけで400キロカロリーも消費できるのですから、有効活用しないと損です。睡眠不足はストレスや肌荒れの原因にもなるため、ダイエットをしていなくてもしっかりと眠るようにしましょう。