生肉は基本的に危険を伴う食べ物
本来人間が食べる肉は火を通してあるのが基本であり、いくら新鮮とは言え全く安心とは言い切れません。 豚レバーに関して言えば、E型肝炎ウィルスによる劇症肝炎やサルモネラ菌やカンピロバクターによる食中毒のリスクが高いと言えます。
国内での感染は無いものの、海外では死に至る食中毒の例もあるようです。
牛や馬は寄生虫感染の確率が低いので生で食べられる事がありますが、過去に死者が出た「腸管出血性大腸菌」は主に牛の腸管に生息していて、排出物によって牛肉や他の食品を汚染すると言われています 。
鶏肉も刺身で食べる場合がありますが、寄生虫や細菌がついていないとは限りません。 またいくら新鮮とは言え、新鮮なほど菌は繁殖しやすいという説もあるので注意が必要です。
肉の寄生虫や細菌は加熱すれば死滅するので、安心して食べたいのであればやはり加熱はマストと言えるでしょうね。
なぜ日本人は生肉を食べるようになったのか?
縄文時代でも狩猟によって得た肉を火で炙ったり煮てたりして食べてたわけですが、いつから?なぜ?日本人は生肉を食べるようになったのでしょう。
きっかけは戦争による食糧難です。 まずは在日韓国人や朝鮮人が肉の代用として牛の心臓(ハツ)を闇市で焼いて売るようになり、そこで人気が出て以来他の内臓類にも工夫がされて売られるようになりました。
元々朝鮮半島には生肉を食べる習慣はありませんでしたが、ユッケのようなメニューはあったようで、それを日本人好みにアレンジして焼き肉店のメニューに加えられました。
焼き肉店が増えるにつれて「レバ刺し」や「ユッケ」は人気メニューとなり、生肉を食べるのも珍しくない事になりました。
牛の体内には元々大腸菌がいる?!
本来牛は草食動物なので草を食べながら生きていく動物ですが、アメリカではそんな牛に、安くて栄養があり太りやすいコーン飼料を与える事で牛の体内の大腸菌が進化してО157が発生したと言われています。
映画「フード・インク」より/ 牛は草しか食べないので、でんぷんなどの栄養源を消化する事ができず、胃に栄養源が溜まってしまい本来の状態ではなくなり、О157などのような細菌が増えてしまいます。
当然排泄物にも混ざっているので、汚染もすれば他の牛にも感染します。しかしそのように育った牛でもしばらくの間草を食べさせればО157菌などは体内から消滅するそうです。
調理の仕方にも注意が必要
感染力が非常に強いと言われている「カンピロバクター」は、元々動物の腸に住みついている常在菌で、それが人間の体内に入ると腸に付着して増殖した結果様々な食中毒の症状が見られます。
例えば夕食のメニューが野菜炒めとサラダだったのに食中毒を起こしてしまった場合、どちらも火が通っているので細菌は死滅しているはずですが、問題は調理の過程にありました。
この中でカンピロバクターが付着している可能性があるのは野菜炒めに入れた豚肉ですが、火は通っています。疑わしいのはサラダですが、肉類は入っていません。
しかし豚肉を切った包丁でサラダに入れるトマトやキュウリを切ったせいで、食中毒の原因となるカンピロバクターが付着して体内に入ったという事です。 生肉を扱った後の調理器具の殺菌は、食中毒を防ぐ重要なポイントとなるでしょう。
生肉による危険を予防するのは免疫力!
同じものを食べても食中毒になる人とならない人がいますよね。これは免疫力の影響と言えます。
人それぞれ見た目が違うように、免疫力も異なります。同じ菌やウィルスが体内に入っても、免疫力の差で症状の度合いが違いますし、殺菌に対する胃酸の量も違います。
もちろん体内に入った細菌やウィルスの量によっても、同じ人でもその時の体調によっても免疫力の強弱は変わってきますが、基本的に免疫力が強い人は抵抗力が強いと言えるでしょう。
生肉をあなどるなかれ!
いかがでしたでしょうか? たしかにレバ刺しやユッケは癖になる程美味しいので、魅力的なのは仕方がないでしょう。
しかしそれなりのリスクがある事も覚悟しなければいけません。 目に見えない細菌やウィルス程恐ろしいものはありません。
お店で食べるのはもちろん、家で調理する時も細心の注意を払って生肉を扱うようにしてくださいね。