太る、太らないは平たく言えば、摂取カロリーと消費カロリーの問題に帰結されると考えればいいわけですが、それではあまりにも単純すぎますよね。
太ると言えば、一番いい例をあげるとすれば、お相撲さんはどうでしょうか。入門時は80キロ前後の新弟子が序の口から始まって、幕の内で相撲を取る頃になると140キロとか、150キロになっています、それでいて、体脂肪率は一般人と同じぐらいの25%前後を守っているのですから、信じられませんよね。
もっとも、お相撲さんは一日2回の食事で、7000キロカロリー以上摂っているそうですから、それを考えただけで太るのは当たり前のことですよね。
私たちの一日の必要摂取カロリーは大体1600~2200キロカリーです。お相撲さんは3倍~4倍のカロリーを摂っていることになります。
そこで、どういう食べ方をしたら太るのか、太らないようにするにはどんな食べ方をしたらいいのか、そして食べるタイミングや順番が、太ることとどう関係しているのか、知りたいと思いませんか?
それではこれから一緒に探っていくことにしましょう。
太る食べ方って?
太る食べ方に入る前に、私たちが日常食している食事一食当たりのエネルギーと脂質を見て行きましょう。
料理名(エネルギー・カロリー/脂質・g)
ごはん(168/0.3)、ぶどうパン(215/2.8)、ざるそば(432/3.1)、ラーメン(426/4.8)、にぎりずし(501/6.1)、親子丼(511/6.4)、ピザトースト(335/13.7)、ナポリタン(518/9.8)、やきそば(539/17.2)、天ぷらうどん(638/18.6)、ミックスサンド(545/28.7)、カレーライス(761/24.9)、チャーハン(696/31.1)、カツ丼(865/32.5)ビール中ジョッキー500ml(200/0)、焼酎ロック100ml(197/0)、日本酒一杯200ml(206/0)
仮に、ランチにカツ丼とざるそばを食べると、それだけで軽く1000キロカロリーを超え、1300キロカロリーになってしまいます。これに朝食、夕食、アルコールなどを加えると、2000キロカリーをはるかに超える摂取量になってしまいます。この数字を見ると、ご自分がいかにカロリーオーバーになって、太る食べ方をしているかがお分かりいただけると思います。
太る食べ方って―食べ過ぎ、飲みすぎ
太るためには、余分に摂取したエネルギー(カロリー)を筋肉や脂肪の形に変えて、体内に取り込むことです。運動で鍛えれば余分なエネルギーは筋肉になりますが、運動をしなければ脂肪として蓄えられることになります。メタボはその典型的な現れ方です。
太るには先程も示したように、消費カロリー以上の摂取カロリーを摂るわけですが、それの原因が、食べ過ぎであり、飲みすぎなのです。最近ではストレスを発散するために気晴らし食い症候群なるものが流行っていて、サラリーマンの退社後の付き合い酒や、OLの帰宅時に大量に好きなものを買い込んで、家での過食行動は、まさに太る食べ方と言っていいでしょう。それから、ポテトチップスやフライドポテトと一緒に、清涼飲料水のがぶ飲みなども太る食べ方に入ります。
太る食べ方って―食物の嗜好の偏り
食物の摂り方によっては太る源になります。例えば、脂肪は1g当たり9kcalですが、炭水化物や蛋白質は1g当たり4kcalで、脂肪のほうが2倍以上のカロリーを含んでいます。したがって、同じ量を食べた場合、脂肪のほうは倍以上のカロリーを摂ることになりますので、それだけ太ることになります。
好きだからと言って、脂肪分の多い食事を摂っていると、知らず知らずのうちに太り始め、気がついて見るとデブだったということになり兼ねませんよ。
また、ある程度太ってくると胃が大きくなります。それ故、目の前に食べ物があると、つい手が伸びてしまいます。胃が大きくなると多くの量を食べないと満腹感が得られないところから、食べ過ぎが進んでしまいます。
太る食べ方って―食べ方の誤り
食べ過ぎなくても太る場合があります。例えば、一日2食とか、ドカ食い、早食いのように一度に多くを食し、その上、食事間隔が長い食べ方は栄養が吸収されやすく、カロリーオーバーをもたらし、身体に脂肪分を余分に貯めることになります。
特に、一日の摂取量の半分を夜に食す、夜食症候群はもってのほかで、夜は消化器機能が活発になるため、栄養としての吸収がし易い状態にあり、それこそ余分な脂肪として蓄積されることになります。一日二食性になると、朝は食べないで、昼もほどほど、夜はがっちりと多く食べるので、夜食症候群と同じような食べ方になってしまいます。
一杯飲んだ後のラーメン、うまいですよね。これが、フトルミンという薬を飲んでいるがごとく、てき面に太ることに貢献しています。アルコールとおつまみで摂取カロリーオーバーしているにも関わらず、締めに油こってりのラーメン、いい理由がありませんよね。その後は家に帰って寝るだけ。太るための王道を言っているようなもので、食べ方の誤り以前の問題です。
太らない食べ方って?
それでは、太らない食べ方ってどんなものなのでしょうか。簡単に言えば、太る食べ方の反対をすればいいわけですが、冒頭の食べ物のカロリーと脂質の数字を挙げましたが、まずはカロリー計算を覚えることが大事です。つまり、毎日の食事でカロリーオーバーにならないように、制限する食べ方を選択します。
カロリー計算は一見難しそうに思えますが、慣れれば簡単なので一度試してみてはどうでしょうか。
規則正しく一日三食の食事スタイルを守る
一日二食やムラ食い、ドカ食い、などを避けて、決まった時間に食事を摂るように心がけます。そして、夕食は軽めにするのがベターです。また、夜食症候群のような食事スタイルをやめることが、太らない食べ方に通じます。
食べる内容をチェックします
コーラやジュースなどの清涼飲料水では糖分チェックを、ポテトチップスやフライドポテトのようなスナック菓子、フライドチキン、ハンバーグ、天ぷらやフライなど炭水化物や脂肪の多い食べ物は、出来るだけ摂らないように心がけ、太らない食べ方を実践します。
間食を慎む
ここで大事なことは胃を小さくすることです。食間にだらだら食べる習慣がある限り、胃は小さくなりません。それから、間食に食べるものは意外と甘いものや油を用いたものが多いので、カロリーがいっぺんに増えてしまいます。
こころを鬼にして、間食を慎むという太らない食べ方を一度試してみてはどうでしょうか。
食事を味わいながら、ゆっくり食べる習慣を
先に記したとおり、早食いは過食の因です。それに胃を大きくもします。そうなると食べた満足感が損なわれます。ですが、ゆっくり食べることで満足感が得られ、その上過食が避けられます。食事は味わうことで満足感が得られ、おいしいと思うことで、心が満たされるものです。それに、ゆっくり食べることで血糖値のコントロールが出来るため、太ることを抑制できます。
会話を楽しみながら、太らない食べ方も乙なものですよ。
食べるタイミングや食べる順番
食べるタイミングは、朝、昼、夜と決められた時間に食べる習慣を身につけましょう。そして、カロリー計算をしっかり頭の中に叩き込んで、メニューを決めて行きます。
特に気を付けなければいけないのが夜の食事です。できることなら、夜の9時以降は食事を摂らないようにしたいですね。
なぜなら夜遅い食事は、すきっ腹にいきなり食物が飛び込んでくるため、脂肪分を増やす最悪のパターンになります。
主食、副菜、主菜の組み合わせが大事
食事はバランス。 主食(ご飯、パン、麺)、副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)、主菜(肉、魚、たまご、大豆料理)、それに乳製品や果実などを組み合わせます。
まずは、副菜、食物繊維の摂取
脂肪分を増やさないようにするために、食物繊維を摂ることをお勧めいたします。なぜなら、食物繊維は炭水化物や蛋白質、脂肪の消化吸収を抑制し、血糖値の上昇を抑える働きがあるからです。
それ故、食物繊維の多い野菜類から先に食べて、その後、炭水化物や蛋白質、脂肪分を食すようにします。このような食べる順番を決めることで、糖の上昇度が変化しますので糖質や脂質の吸収がコントロールできることになります。
ここで注意をしたいのが野菜です。生野菜だけで摂り切れないばあいは、温野菜やお浸しなどにします。特に、外食が多いサラリーマンやOLは野菜が不足がちになりますので、副菜への気配りを忘れてはいけません。
まとめ
私たちにとって食事は楽しみの一つです。しかしながら、度を超すと身体にとんでもない状況を作り出します。飽食の現代、脂質異常や糖尿病の患者さんが増えてきております。折角楽しみながらの食事が病気を生みだしているとしたら、こんな悲しいことはありません。
ですが、私たちには意志があります。食事のスタイルを変える態度もあります。ここで、一度原点に戻って、「太る食べ方、太らない食べ方、食べるタイミングや食べる順番」を真剣に考えてみてはいかがでしょうか。
食事の楽しさを再び味わうことができるかもしれません。それは、あなたの態度にかかっています。